あべのハルカス

近畿日本鉄道の前身である大阪鉄道が1937年より営業を行ってきた百貨店西館の建替え計画により建築された建物が「あべのハルカス」。地上300mという「横浜ランドマークタワー」の296mを抜き、「日本一高いビル」の称号が大阪に移った。

名称である「ハルカス」は古語の「晴るかす」から由来しており、平安時代に書かれた伊勢物語の第九十五段では、「いかで物ごしに対面して、おぼつかなく思ひつめたること、すこしはるかさん」という一節が記されており、この言葉には「人の心を晴れ晴れとさせる」という意味があり、ビルの上層階から晴れやかな景色を見渡して爽快感を味わえることや、多彩で充実した施設で来訪者に心地よさを感じてもらいたいという思いが込めている。

ちなみに、地名は「あべの」であるが、これに関しては「大阪」「天王寺」「上方」などの案もあったようだ。しかし、日本一の超高層ビルになることで知名度を上げていけるのなら「あべの」を全国区にしたいという意図により「あべの」が採用されたという。

外観デザインに関しては、「ペリ・クラーク・ペリ・アーキテクツ」代表のシーザー・ペリが監修。ぺリは「台北101」が建設されるまでは世界最高層ビルであったマレーシアの「ペトロナスツインタワー」など、数々の超高層建築物の設計に携わっていた。なお、「ペトロナスツインタワー」は、ショーン・コネリーとキャサリン・ゼダ・ジョーンズが共演した「エントラップメント」の主要舞台として有名なビルである。

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